IPv4 枯渇と IPv6 の普及について | Slingbox Fan

IPv4 枯渇と IPv6 の普及について

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Slingbox用のポートフォワードをルータに設定している時にいつも気になることがある。それはIPv6アドレスについてだ。Sling Mediaは、IPv6についてどこまで考えているのだろうか。IPv4/IPv6のデュアルスタックなどにするのだろうか。それともSlingboxでは対応できなく、ルータ側でNAT-PT(RFC2766)を行うよう設定しなくてはいけない状況になるのだろうか。

かなり以前から IPv4 が枯渇すると言われ続けているが、実際に IPv4 は、いつなくなるのであろうか?いろいろな予測があり、例えば Interop Tokyo 2007 では予測枯渇日は2009年12月18日時点と発表しているが、2008年の Geoff Huston 氏の予測によると、インターネットレジストリにおけるIPv4アドレスの在庫は2010年から2011年に枯渇するとされている。現在 2009 年、わずか2年先の話である。しかし、本当に枯渇が起こるとしても現状その危機感が伝わってこないので、いまは「その時期に IPv4 が枯渇するらしい」程度にしか思えないのが現状ではないだろうか。

IPv4のアドレスは約43億個だが、その中のどの程度が実際に使われているのだろうか。これには、まず初期にアドレスを大きなブロックで配ったため、その配分がきわめて歪んでおり、全アドレスの1割しか使われていないという意見に注目したい(2007年6月の時点で、ホスト数は約4億3000万とのこと)。特にアメリカでは、たとえば大学や企業がクラス Aを1ブロック(1670万個)まるごと持っているように、莫大なアドレスを割り当てられたまま使っていないらしい。ちなみに、米国の IPv6 への対応だが、米国は IP アドレス最大保有国(約70%保有)であり、利害と直結しないことからこの問題に対する関心・危機感が薄いと分析されている。

アドレスの配分が歪んでいるのであれば、現在配分されたが使われていないアドレスの回収および再配分によって、アドレスの枯渇は延命できると思われる。しかしそれによって、人為的な手間や、現状のBGP ルーティングテーブルのエントリ数がさらに増大するなどの別の問題が起きてくるだろう。そして、現在の増加率からすると、結局はまたすぐに IPv4 アドレスの枯渇問題が浮上してくるかもしれない。

するとやはり IPv6 への移行が解決策となるのであろう。しかし、IPv6 への移行はそんなに簡単なものではないと思われる。それは事実として:

1) 対応策実施にあたり、新たな投資や費用が必要となる
2) 既存の端末およびネットワーク機器のIPv6 対応や仕様変更等を行う必要がある
3) 新規IPv6 クライアントはそのままではIPv4 インターネットへの接続ができない
4) 新規IPv6 サーバはクライアントのIPv6 対応なしにはクライアントからの接続を受けられない
5) 既存のソフトウェア、アプリケーションが IPv6 対応していない
6) アクセス網提供事業者がIPv6 の利用に対応していない
7) 技術面や運用面でまだ不確定な要素が多い(サイトローカルアドレスの廃止、エニーキャストアドレスの見直しとDHCPv6の再検討、逆引きの問題等)

確実な事は、IPv6 への本格的な移行は莫大な費用がかかり、しかもすべてのコンピュータが IPv6 で到達可能にならない限り、IPv4 で到達可能なコンピュータ/ネットワークが減ることはないということだ。すなわち、まだまだIPv4は存在し続けるだろう。

最終的には、IPv6へ移行するのかもしれないが、その前の動きとしてIPv4はもっと流動的になると思われる。まず大学や企業が余剰アドレスを放出するだろう。そして、それらのアドレスの売買を始める業者が出てくるかもしれない。

みんなが IPv6 移行への重い腰を上げるのはいつになるのだろう。それは「枯渇を実感」してからではなく、「IPv6 への移行によってもたらされる利益」が明確になってからかもしれない。

References:
「IPv4アドレスの枯渇時期予想について」
http://www.ipv6style.jp/jp/statistics/address_depletion/index.shtml

「IPv4アドレス枯渇で突如脚光を浴びるIPv6」
http://www.atmarkit.co.jp/news/200712/11/ipv6.html

ウィキペディア「IPアドレス枯渇問題」
http://ja.wikipedia.org/wiki/IP%E3%82%A2%E3%83%89%E3%83%AC%E3%82%B9%E6%9E%AF%E6%B8%87%E5%95%8F%E9%A1%8C

ウィキペディア「IPv6」
http://ja.wikipedia.org/wiki/IPv6

「4.6.3 「IPv6 による新規顧客の収容」の問題点と解決策」
http://www.nic.ad.jp/ja/ip/ipv4pool/ipv4exh-report-071207.pdf

「IPアドレスは枯渇していない」
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/f0a92ba1bbd8a6510afb2d02b4f79f29

「IPv6は必要か」
http://www.rieti.go.jp/jp/publications/summary/02012500.html

「覚悟はできてますか? - トンでもなく高価なIPv6」
http://www.unixuser.org/~euske/doc/ipv6ex/


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